J2 第31節 愛媛FC vs モンテディオ山形 戦術分析 【狙われたニアゾーン】

戦術

こんにちは。石本です。
いつもご覧いただきありがとうございます。

今日は愛媛FC vs モンテディオ山形の試合をみていきたいと思います。とにかく両チームとも勝ち点3がほしい。ポジショナルプレーを使いこなす山形。ロングカウンターを炸裂させるか愛媛。山形からレンタルの栗山は試合に出ることは出来ない状況。

今日は
【狙われたニアゾーン】
ということで見ていきたいと思います。

入場者数 2134人

フォーメーション 1-3-5-2(愛媛)1-4-4-2(山形)

試合結果 愛媛FC 0-4 モンテディオ山形

得点者
18分 山田 康太(山形)
52分 山田 康太(山形)
59分 ヴィニシウス アラウージョ(山形)
63分 ヴィニシウス アラウージョ(山形)

1.センターバックからのニアゾーン

まずはじめに山形の自陣攻撃のビルドアップについてみていきたいと思います。フォーメーションは4-4-2布陣で2トップを採用。

GKからボールが出たタイミングで可変システムにより4-3-3に変形します。

この可変により、愛媛守備を困らせる立ち位置をとることを促す。

先日の大宮戦でも同じような立ち位置を取られたことを思い出しますね。

愛媛の守備のポイントは
・サイドバックにボールが出たら誰がプレスにいくか。
・ウイングは誰がみるか
・中盤3人の逆三角形を誰が誰をマークするか
・プレスのタイミングをどこにするか

ということでしょうか。

山形の1得点目はセンターバックが持った時に近藤が引き出され、サイドバックを内田がマークつき、ウイングには茂木が引っ張られたところにセンターバックの間のチャンネルを通すことができたという山形のすばらしいポジショナルプレーが出たシーンでした。

動画はこちら

後半、点を取り返すために愛媛は積極的にプレッシングにいきますが・・・

2.ハイプレス後のニアゾーン、インナーラップからのニアゾーン

ハーフタイムのコメントで

積極的に相手のビルドアップに奪いに行こう

という愛媛でしたが、山形のボランチのパスコースへの顔だしのスピードがとても早い。そして、さらにボックス、トゥー、ボックスと言われるくらい後ろから前に攻め上がる運動量

最後は南のニアゾーンからの折り返しからゴールとなりました。

動画はこちら

そして、愛媛が3人替えしてフォーメーションを4-4-2に変えてさらに積極的にボールを奪いに行きます。

58分のシーン、4-4-2はサイドにコンパクトになってボールを奪いにいくシステムなので、サイドチェンジされ、スライドが遅れると、相手の方が優位になります。

山形サイドバック半田から右ウイングの中原へ。そこから前のニアゾーンへ。ニアゾーンへのアクションのスピードアップが素晴らしいですね。

動画はこちら

結果こそ0-4でしたが、愛媛もチャンスがあり、いいシーンもありましたので見ていきたいと思います。

3.斜めの縦パスからウイングバックからウイングバック

愛媛のチャンスも少なからずありました。愛媛のビルドアップからボールを後ろに下げたタイミングで山形のプレッシングが行われます。GK岡本からボールを受けた大谷が唐山に素晴らしい斜めの縦パス。

一気に相手の守備ラインを突破することが出来ました。さらに唐山が1人交わしてから右の小暮に渡し、そこからウイングバックの内田にロビングクロス。

内田のボレーは惜しくも山形GKビクトルに阻まれましたが、愛媛の狙いの形でしたね。

ここでのポイントは

・バックパスから山形のプレッシング開始
・愛媛GKを使ったプレス回避
・大谷の斜めの縦パスでプレス回避とトリガーパス
・唐山がドリブルで仕掛け、1人を交わす
・右の小暮にボールを繋ぎ、そこから内田にロビングクロス
・内田のボレーが枠内にとぶ

動画はこちら

素晴らしい攻撃でした。

他にも今回の狙いだった、積極的なプレッシングからのボール奪取を行い、フィニッシュまでつながったシーン。

動画はこちら

非常に惜しいシーンでしたが、少ないチャンスをものにし、失点を抑えれば、勝利に近づくことができますね。

まとめ

今日は
【狙われたニアゾーン】
ということで見ていきました。

内容は
1.センターバックからのニアゾーン ⇒ チャンネルを開け狙う
2.ハイプレス後のニアゾーン、インナーラップからのニアゾーン ⇒ ボックス、トゥー、ボックス
3.斜めの縦パスからウイングバックからウイングバック ⇒ 相手を引き出し、トリガーパス

實好監督コメント
守備のところでコンパクトさを保ちながらやりたかったが、縦に広がっているところもあった。相手の動かし方で自分たちがコンパクトさを保てないところがあった。相手との攻防で上回られた。
ビルドアップの立ち位置の意識は短い時間、少ない回数ではあったけど、出せた部分はあった。でも、いろんなところで上回ることができなかった。

守備時はプレッシングに対して、どこで奪うかというところが伝えきれなかったということだろう。攻撃に関しては、ウイングバックからウイングバックの時のような素早いビルドアップが成功すればいい形になった。

クラモフスキー監督コメント
ボールを回すところもうまく動かせていたと思います。その中でチャンスを多く作ることもできていたと思いますし、自分たちがデザインした、作ってきた形で得点できたというのは選手たちがしっかりと練習からやってくれたおかげだと思っています。

練習していることが試合で出たイメージも観てる方もよくわかった。それがゴールに直結したのでより喜びも大きいだろう。

次は松田監督率いる長崎。4-4-2の守備は意識、攻撃時のリスクマネジメント、ハードワークインテンシティと隙がないサッカーを作り上げている。

割り切った対策で、相手の油断をつくことができるか。ボールを持てるのか、持たされてプレッシングを受けるのか。是が非でも勝ち点3を願う。

【DAZNハイライト】2021.9.25 明治安田J2 愛媛FC vs モンテディオ山形

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