こんにちは。石本です。
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選手歴 愛媛FC・FC今治 現在はシニアでのんびりとプレー
ライセンス サッカーA級・フットサルB級・GKL3
指導歴 15年以上(サッカー・フットサル)
趣味 読書(フットボール中心に年間100冊以上)
今日は愛媛FC vs アスルクラロ沼津の試合をみていきたいと思います。
いよいよホーム最終戦の愛媛。対戦する沼津の監督は元愛媛FCの監督の望月さん。非常に興味深い試合ですね。中々勝利から遠ざかっている沼津。なぜそのような結果に陥っているのかみていきたいと思います。
ということで今回は
【沼津のゲームモデルを紐解く】
ということでみていきたいと思います。
入場者数 3980人
フォーメーション 1-4-2-3-1(愛媛)1-4-4-2(沼津)
試合結果 愛媛FC アスルクラロ沼津
シュート数 愛媛FC アスルクラロ沼津
得点者
39分 前川 智敬(沼津)
82分 矢田 旭(愛媛)
1.沼津の守備プレッシング
今回は元愛媛FCの望月監督のサッカーを見てみたいと思います。
まずはプレッシングラインはどこだったでしょうか。プレッシングラインとは、相手に対してボールを奪いにいくゾーンのこと。
その前にまずは噛み合わせをみてみたいと思います。
愛媛は1-4-2-3-1で沼津は1-4-4-2という布陣。
望月さんのフォーメーションは1-4-4-2。9月あたりでは1-3-4-2-1を使っていたが、いわき戦の大敗を機にまた1-4-4-2に戻している。
それでは、守備のところに話を戻そう。
守備プレッシングの高さはアタッキングゾーンという1/3で区切られたゾーンの前のゾーン。
・ここで奪えれば得点に直結する
・ハーフラインまではオフサイドがないので、ゴールラインからハーフラインまでの52.5mを守る
・ボランチが2枚とも出て行くことが多くなるので、ボランチとセンターバックの間のスペースが急所になる
・ハードワークが必要なので、連動できなければ回避され、一気にカウンターになる
非常にハードワークを要されるハイプレス。チームとしてボランチに出させてそこでボールを回収し一気にゴールへ向かうという意図が見えましたが、回避され後手を踏み、体力がついていかないという場面も見えました。
プレスを回避された後の守備ブロックについてはどうでしょうか。
2.沼津の守備ブロック
ゴール前に運ばれた場合の守備ブロックはどうでしょうか。
原則サイドでの守備に対してはフォーメーションが噛み合うので、ゾーンを保ちつつ、球際はマンツーマンで対応する。
もしくは受け渡しによってマークチェンジするという原則。
そして2列目の選手が飛び出してきた場合はそのままボランチの選手がついて対応。もしくはCBと受け渡し可能な状態なら受け渡し。
例えば、サイドバックがサイドの対応で飛び出し、CBは中に残った場合のサイドバックとCBの間に相手ボランチが抜けてきたら、そのままボランチがついていくという秩序。
しかし、その対応が遅れてしまうと失点につながる。
まさに愛媛の1得点はその形から生まれた。
簡単に守備の説明をすると強度を高くもちながら、うまくはまればボール奪取からフィニッシュへというモデルを構築しているように思う。
一方ハイプレスを目指すが、捕まえきれず、疲弊したところをかいくぐられてしまうことがあり、可変システムや裏抜けに対して、対応が遅れると後手を踏んでしまう傾向にある。
それでも、サッカー王国の静岡県のチーム。その攻撃はどのようなゲームモデルを持っているのでしょうか。
3.沼津の攻撃
沼津の攻撃についてみてみたいと思います。
まずは、シンプルにテクニックをいかした正確なパス&コントロール。そして、2タッチ以内の早いテンポでボールを回し、そのタイミングを合わし、相手のプレスをかいくぐる。
動きのバリエーションは次のようなもの。
2トップは二人で連携し、一人はDFの背後を狙い、DFラインを下げる。もう一人はDFラインと中盤ラインの間でボールを受ける。
非常にいいタイミングで2トップはユニットで動く。
次にサイドだが、基本的にサイドハーフがハーフスペース気味に相手のサイドバックとサイドハーフとボランチのライン間に落ちてくる。
その動きに合わせて、サイドバックがワイドに開き、高い位置を取る。高い位置というのは相手のサイドハーフとサイドバックのライン間に相手のサイドハーフを引っ張るように動く。
相手のサイドバックが味方のサイドハーフにつられてハーフスペースへ入ったらそのまま背後を取るというよくある旋回の動き。
このようにサイドで前後が入れ替わり、相手を動かし、ボールをテンポよく回す。
ボランチに関しては、一人がボールサイド、もう一人は重ならないように次のパスコースを持てる位置へ段差をつけながらサポートする。
主にサイドチェンジや、トップに入った時のサポートに入る。たまに裏抜けして人数を増やす。
基本的にボールを動かし、パスの質、サイドでの数的優位をつくり崩しに入るが、最後のあタッキングゾーンに関しては、そこまで人数をかけずカウンターへのリスクマネジメントしている。
人数をかけないこともあり、そこまで相手を崩した印象はなかったが、得点シーンを見てみるとボランチの裏抜けにより相手が密集し、逆サイドバックが押し上げて人数をかけたことにより、ゴール前で1対1になりゴール。
まとめ
ということで今回は
【沼津のゲームモデルを紐解く】
ということでみていきました。
内容は
1.沼津の守備プレッシング ⇒ ハイプレスを狙い、ボランチのところで奪いたいが・・・
2.沼津の守備ブロック ⇒ 受け渡し有りのマンツーマンで対応
3.沼津の攻撃 ⇒ パステンポと2トップのユニット、サイドの旋回
オーソドックスといえばオーソドックスなゲームモデルだが、その分構築しやすい。構築しやすいがゆえに対策もされやすい。思い切ったリスクを負いながら人数をかけることで相手のゴールを脅かす。ゴール前の守備では、さらに強固な守備ブロックを意識することが、失点を防ぐことができる。
しかし、来季からはゴンこと中山雅史氏の監督就任が決定している。
サッカーB級コーチの時に同期であったのが懐かしく思う。その受講生ぶりもさすがと思わすような発言やリーダーシップはテレビの通り。早々とS級ライセンスを取得し、いくつかの監督の元、自身のゲームモデルを構築してきたことは間違いない。
来季、どのようなゲームモデルをみせてくれるのか。きっと情熱あふれるファイトがベースとなる熱いハードワークの元、メリハリとした動き出し、全力プレーをしながらも、非常に攻撃的な攻撃と守備を準備するのではないかと楽しみにしている。
愛媛の2チームとの対戦ににゴンが来る!
1⃣サッカープレーモデルの教科書 個を育て、チームを強くするフレームワークの作り方
2⃣プレー経験ゼロでもできる実践的ゲームモデルの作り方
3⃣「サッカー」とは何か 戦術的ピリオダイゼーションvsバルセロナ構造主義、欧州最先端をリードする二大トレーニング理論
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