J2 第35節 ジュビロ磐田 vs 愛媛FC 戦術分析 【勝ち癖をつけるには得点後が重要】

戦術

こんにちは。石本です。
いつもご覧いただきありがとうございます。

今日はジュビロ磐田 vs 愛媛FCの試合をみていきたいと思います。
首位磐田に対して、残留をかけて勝ち点を持って帰りたい愛媛。特別指定選手の小原を先発として出場させ、攻守ともに起点をつくりたい。
後半69分から74分の5分間のうちに3点入るという現象。

今日は
【勝ち癖をつけるには得点後が重要】
ということでみていきたいと思います。

入場者数 8021人

フォーメーション 1-3-4-2-1(磐田)1-3-4-2-1(愛媛)

試合結果 ジュビロ磐田 2-2 愛媛FC

得点者
37分 鈴木 雄斗(磐田)
69分 川村 拓夢(愛媛)
71分 小原 基樹(愛媛)
74分 鈴木 雄斗(磐田)

1.ハーフスペースの攻略

まずはかみ合わせをみてみたいと思います。

お互いに1-3-4-2-1のミラーゲーム。得点こそ多いジュビロだが、上位チームの中では失点も少なくない。そういう意味では3バック、5バック化し失点を減らしたいということの裏返しでもあるのだろう。

前半37分にジュビロに先制される。

右サイドで2対2の状況でハーフスペースにカットインされシュートを決められる。なぜ、サイドで2対2になりボランチはセンターレーンに吸収されたのか。それは、サイドにボールがいく前に遠藤からルキアンへの近藤、川村の間に縦パスが入れられる。そこに入ったことにより川村、田中がバイタルケアに吸収されたということ。

あそこの縦パスを通させないことが大事だが、さすが元日本代表遠藤。とてもうまい。結果的にボールがサイドにいってクロスの対応になってしまい、出て行けなかったのかというところ。

動画はこちら

一方愛媛は、後半69分近藤、川村コンビでやり返す。

磐田も5バックなので、中々サイドを攻略するのは難しい。そこで一度サイドに起点をつくりウイングバックをサイドに引き出す。そこから小原、茂木とつなぎ、今度は磐田のボランチ間を通し返す

これにより、右3バックが山本を引き出し、フリックで川村に落とす。落ち着いてニアサイドに叩き込む。

ここでのポイントは

・サイドにパスをつけウイングバックを引き出す
・茂木がフリーマンとして入ってくる
・ボランチ間に縦パスを差し込む
・3バックの山﨑がプレスにきたところを川村にフリック
・ハーフスペースを攻略し、ニアサイドに叩き込む

動画はこちら

ハーフタイムの指示通り、ボランチの川村が高い位置へのアクションからでしたね。

川村の久々の得点でしたが、とても質の高いすばらしいシュートでしたね。次に小原の逆転ゴールをみていきたいたいと思います。

2.トランジションゲーム時の小原のソロ突破

時間も70分を回り、トランジションゲームの時間帯になってきたところでした。愛媛がビルドアップから3人目でセンターレーンを前進し、抜け出しかけたところを背後にアクションした小原でしたが、磐田ウイングバックがリスクマネジメントで中に絞っていたためひっかかりました。

そこをさらに近藤がすぐに奪い返し、川村が小原に展開。そこから左サイドレーンから一気にドリブルで仕掛け、フィニッシュまで持ち込む。

ここでのポイントは

・サイドレーンでボールを受け、ゴールにドリブルで向かう
・高木がオーバーラップし2vs1の状況で相手は飛び込めない
・右足が地面から離れる度にボールタッチ
・相手の前で空踏み(ボールを触らず、地面を踏む)から縦突破
・相手が対応するタイミングがずれる
・左足で右隅に叩き込む
 

 

3.得点後の隙が勝負の分かれ目、個の強さを活かした首位磐田の攻撃

振返ってみると、後半69分から74分の5分間のうちに3得点入っているという不思議な時間。川村の得点後に点を取り返しに行くとなった磐田の前がかりになった守備からのルーズボールを制した愛媛のカウンターで追加点。

さらに、その直後、このままいけると思った愛媛の心の隙からサイドをワンツーで突破され、シンプルクロスを上からヘディングでのフィニッシュ。

愛媛の2点目で言えば、磐田の前がかりになったところをソロで決めきる選手がいたということ。

磐田の2点目で言えば、愛媛が少しふわっとなったところからのゴール。

よく、得点直後は気をつけろと言われますが、まさにその5分間でしたね。

磐田のゴールシーンはこちら

まとめ

今日は
【勝ち癖をつけるには得点後が重要】
ということでみていきました。

内容は
1.ハーフスペースの攻略 ⇒ サイドにウイングバックを引き出し数的優位をつくる
2.トランジションゲーム時の小原のソロ突破 ⇒ 磐田が前がかりになったところをソロ突破
3.得点後の隙が勝負の分かれ目、個の強さを活かした首位磐田の攻撃 ⇒ 得点直後は隙をつくらない

實好監督コメント
首位の磐田さん相手に粘り強く戦い、強気なところも出していく、少ないチャンスを仕留めにいくというところを頭に入れて試合に入った。その中で前半に失点はしたが、90分間を通して選手たちの試合運びは冷静なところと、大胆にゴールに入っていくところ、守備では最後まで体を張るところ。すごくみんなが冷静かつ、熱く戦ってくれたおかげで取れた勝点1だと思う。

まさにその通りでした。強気で行く、少ないチャンスを仕留めにいく。

鈴木監督コメント
選手たちが意識してやってくれたおかげだと思います。前節の反省の中でそういうトレーニングを入れ、選手たちが(試合でも)やってくれたと思います。ただ、それを90分間、集中してやり続けることも大事だと思うので、そこはまた選手ともコミュニケーションをとって準備したいと思います。

90分間集中して隙をつくらないということが勝ち癖を身につけるということですね。特に得点後は大事。

【DAZNハイライト】2021.10.23 明治安田J2 ジュビロ磐田 vs 愛媛FC

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