UEFAネーションズリーグ 決勝 スペイン vs フランス 戦術分析 【ネーションズリーグ決勝による最先端トレンドの考察】

戦術

こんにちは。石本です。
いつもご覧いただきありがとうございます。

今日はUEFAネーションズリーグ 決勝 スペイン vs フランスの試合をみていきたいと思います。

その前にネーションズリーグとは何か

・偶数年で開催されるW杯とEUROの節目に行う。
・親善試合などで当てていた試合を拮抗したリーグ戦として行うことができる
・代表強化になる
・W杯予選やEURO予選に関連付けることでより真剣勝負となる
・EFAが主催して放映権を集中管理、一括販売することによって、放映権料収入が大きく膨れ上がる
今回は
【ネーションズリーグ決勝による最先端トレンドの考察】
ということでみていきたいと思います。
 

フォーメーション 1-4-3-3(スペイン)1-3-4-1-2(フランス)

試合結果 スペイン 1-2 フランス

得点者
64分 ミケル・オヤルサバル(スペイン)
66分 カリム・ベンゼマ(フランス)
80分 キリアン・エムバペ(フランス)

1.プレッシングデザイン

まずはフォーメーションのかみあわせについてみてみたい。

スペインのサイドバックがフリーになるかみ合わせだが、そこに対してはボランチのポグバとチュアメニが対応。インサイドハーフに対して、入ってきたボールの対応は3バックのキンペンベ、クンデがしっかりとついていく。

ウイングが下がって受けようとすれば、ウイングバックのエルナンデスがついていくという秩序が見えた。

インサイドハーフがニアゾーンにアクションを起こし、サイドに流れた場合、3バックがついていかなかった場合は外切りで中で奪うように対応。簡単に3バックの間を開けないようにしている。それでも3バックが外に引き出されてしまった場合はボランチがそのスペースを埋めるところまで決まっている。

ミケルオヤルサバルが偽9番で下がった場合でも、ヴァランはマンツーマンでついていく。そこでフリーマンを作らせないようにしている。

スペインのインサイドハーフがサイドレーンに出たときなど、ウイングバックが思い切って前にでてくることで、5バックが全体にスライドし、4バックのような形になる。

相手の可変には可変で対応。

とてもレベルの高い内容となっているのはこのネーションズリーグを行うことで、代表のクラブ化と言われるくらい質の高いトレーニングが可能となっている。

次に得点の場面をみていく。

2.オヤルサバルの偽9番の活用とベンゼマのオーバーロード

後半63分のシーンでスペインがポジティブトランジション(守備から攻撃)に移った時、ブスケツが首を振り前をみているシーンが見える。オヤルサバルがセンターバックが偽9番によってマークがついてくることを逆手にとってチェックの動きから背後をとりゴールしたシーン。

トランジションであることから、ウイングバックはサイドを駆け上がっている状態。ブスケツがボールを受けた時は前線で3対3の状況が出来ていた。

後半65分のスペインのゴールの直後、3人目プレス回避から逆サイド数的優位のベンゼマのカットインシュート。4バックに対して、サイドチェンジはとても有効である。3MFのスライドが間に合わない。合わせて、2トップのベンゼマがサイドに流れることでオーバーロード(通常より多い状態)を作り出すことでカットインシュートを打つことに成功する。

センターバックがついていくと中を開けてしまうとムバッペがあいてくることをうまく戦術としていかしている。

 

80分逆転シーンはスルーパスから相手の足にあたり、ノーオフサイドとなり、またいでからGKのニアサイドからゴール。

勝負の差はどこに出てきたのか。次はそこに注目してみたい。

3.残り10分で4バックの危険性と試合の終わらせ方

5バックと4バックでのセンターバックのスタミナの消耗は明らかに違ってくる。3バックだとビルドアップに関してはそこまで関与しない。サイドの3バックにあずけて安全第一となるプレーが多い。一方4バックだと、攻撃の起点になり、常に関わり続ける。

守備においても3バックがサイドに引き出されることは4バックほどはなく、スタミナ的には4バックに比べてかなり優位性がある。

4バック1アンカーだとかなり攻撃的にバランスもよくボールも良く回る。だが、2失点目のオフサイドのシーンを振り返ると、オフサイドとジャッジしてしまったこと、背後のスペースについていく対応を見誤ったことが失点につながる。

スタミナ的なものやムバッペやベンゼマの背後のアクションの繰り返しにより、ずれが生じたのではないかという見方もある。

替えがきかないセンターバックのところをどう進化するか。一つ見ものでもある。

後半90分で守備固めでグリーズマンとヴェレトゥ交代し、ゴール前を固めるという試合の終わらせ方が見えた。そして相手がさらに出てきたところを背後を狙うというフランスの狙いがとても脅威となった。

残り1分のフランスのGKパワープレー。GKのターゲット化。ビルドアップに関してはGKが関わることは日常となった。しかし、今後さらにGKの進化が見える。GKのターゲット化だ。最後ラストプレーに対してボックス内に侵入するが、まだまだ得点の確率はそう高くない。だが、近い将来GKによる得点もモデル化される日がくるだろう。なぜなら、必ず負けているチームは得点が是が非でもほしいものだから。

90分間をいかに戦うかが見えた試合であった。

まとめ

今回は
【ネーションズリーグ決勝による最先端トレンドの考察】
ということでみていきたいと思います。
 
内容は
1.プレッシングデザイン ⇒ 最先端攻撃戦術に合わせた守備対応
2.オヤルサバルの偽9番の活用とベンゼマのオーバーロード ⇒ 隙をつくり、隙をつかう
3.残り10分で4バックの危険性と試合の終わらせ方 ⇒ 90分をいかに戦うか。
 
両チームの監督のコメントをみてみたい。
 

エンリケ監督コメント(サッカーキング)
 誰とどのような状況においてプレーするかに左右されず、我々はいつも勇敢で、野心とともに攻撃する自分たちのやり方でプレーしようとする。だから、今日は敗北の痛みというよりも、よく戦ったことからくる悲しみのような気持ちだね 
フットボールの不公平さは、1-0で我々がリードしたとき、我々にはフランスをノックアウトするチャンスがあったにもかかわらず、カリム・ベンゼマが素晴らしいことをしてしまったということだね    
私はただ、素晴らしかったファンたちに今夜祝う何かを与えられたらよかったのに、と感じているよ

得点した後の失点ということもあり、メンタルコントロールの重要性を感じさせる。

デシャン監督コメント(ゲキサカ)
私たちが積み上げてきたものは、ちゃんと残っている。選手たちは今でも高いレベルでパフォーマンスを発揮していることを証明してくれた。最初から最後までコントロールできない試合もあるし、9月には2試合を引き分けたが、それでもバランスは良かった

まさにネーションズリーグの意図がみえる。積み上げることで代表強化となっている。日本が世界のトップに立つことを考えた場合、親善試合ではなく、拮抗した試合で、さらに積み上げできるような仕組みが必要なのだろう。欧州はすでに先を進んでいる。

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